面記号と名目尺度

 名目尺度であれば、面記号表現は簡単です。何故なら、全ての模様を使うことができるからです。ただの情報伝達手段であると割り切ることができれば、模様は好きに選べばよく、内容との相応を意識する必要もありません。しかし修辞に関心のある人は、内容に相応しい模様を選びたくなることでしょう。内容と模様との関係性も、一種の文法と考えることができます。いきなり自分の感性で選ぶのは難しいでしょうから、先ずは慣例を学ぶのがよいでしょう。例えば土地利用図について言えば、一般図の図式を援用することは決して珍しくありません。畑や草地、樹林等は、一般図でもよく見られるものが使われていたりします。地形分類図を見ると、一般図の山麓緩斜面の記号が使われていることも分かります。地質図では、砂礫、花崗岩、玄武岩等に、援用が見られます。もちろん慣例は慣例ですから、絶対にこの通りの記号を充てなければならないというものではありません。凡例で示す限りにおいて、自由に定義することができます。時には画一的に当てはめることで他の記号と干渉し合い、失敗することさえあります。
 主題図においては、この「定義の自由」は一貫しています。ですから地図作成者の感性が入り込む余地が大きいのです。ただ、実際に作成してみると、定義の難しさに気付かされることになります。例えば区画を分けるといった単純な名目尺度の表現に際して、模様を定義するのは至難の業です。内容において「重要な区画」のような特徴があれば、それを濃淡で評点することが可能ですが、そうした特徴が何もない場合、濃淡や方向をどう定めるかにおいて、経験を要するのです。

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