昔の主題図

日本でも古代の荘園図等が主題図の一種として役立ちましたが、近世に見られた村絵図や町絵図も、紛争を解決する主題図として利用されました。土地保有者を確定したり、灌漑水の利権を定めたり、災害時の対応に役立てたりするなど、それらの地図は大変重宝されたのです。さらに漁場や山林を描いた地図も作成され、利用されました。これらの地図に共通するのは、境界の紛争解決手段として用いられたということです。主題図には様々な用途があると考えられますが、時代に応じてその用途も変化したり、新たな用途が生まれたりしてきました。因みにアルンベルガーはオーストリアの主題図を研究した後、その歴史から主題図の発達史を纏め上げた偉大な人物です。彼の著作を参考にするとよいでしょう。
 ところでこの主題図には、下位カテゴリーとして、定性的地図と定量的地図とが存在します。両者の違いについて詳しく見ることにしましょう。そもそも主題図の分類は、主題毎に分けるのが一番分かり易いのは確かです。例えば、地質図、地形図、気象図、気候図、人口図、産業図といった具合に分けるのは、誰でも容易に行えることです。しかしそれだけでは芸がありません。別の視座、基準から、より大きなカテゴリーで分類することも試みられるべきでしょう。その分類法の一つが、定性的地図と定量的地図という、2分類法です。データには定性的データと、定量的データとがあります。つまりデータの性質によって、主題図を分けることができるのです。地質図や植生図、民族分布図等は典型的な定性的地図であり、気候図や人口図、産業図等はそのデータが数量化されているため、定量的地図と見做されるのが一般的です。

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